マイクロ広角レンズの全て

3.部品レベルまでの分解

製作者からのMWレンズ構造説明

'05/5/28

Kochan


本マイクロ広角レンズは基本的にドライバーなしで分解、お手入れができるたいへんすぐれものです。ここではより詳しく構造を分解して

ご説明致します。特に工具を用いることなくほとんどの部分が部品レベルまで分解可能ですし、ユーザが部品交換できる様になっています。

しかし、工具が必要な部分は基本的に分解しないで下さい。以下にユーザサイドで分解可能なところと、分解により機能保証できなく

なる部分までのご説明も一部いたしますが、分解の制限を明記してありますので遵守頂くとともに、有償修理対象となる場合がありますので

ご注意願います。この第3回でメカニックなお話は終了です。第4回からは実践撮影テクニックの講座となります。

・前節「2.摺動パイプの脱着」で説明しました手順で、左図の写真まで分解できます。左からフォーカス筒部、主筒、ズーム筒部となります。ズーム筒部にはCanonのフランジが装着されています。フォーカス筒部のみを外した状態は顕微鏡そのもので通常の(被写界深度が浅い)顕微鏡となります

・フォーカス筒部のあおりネジ3本をゆるめると、CマウンターごとCCTVレンズが取り外せます。レンズとCマウンターは左回転(右ネジ)で取り外せます(写真参照)。CCTVレンズはCタイプでもCSタイプでもお好きなものに交換できます。f25mm以上のCCTVレンズ装着で高倍率顕微鏡や超望遠レンズに早変わりです。

 

 

 

 

・X−Yシフト機構の分解はシフトネジ(4本)を軽くゆるめ、押さえリングネジを左回転で外すとシフトリングが取り出せます(あおりネジは外しておかないと取れません)。滑り面にはカプトン(アミラド樹脂)のシートが2枚挟んであります。シフト時の堅さは押さえリングの締め付け具合で調節できます。

 

 

・主筒部は集光レンズボディー(集光レンズが入っています)に2つのシリンダーが右ネジで装着されているものです。これらが回転すると使用時に不都合ですのでしっかり硬く締めます。両シリンダーは透明アルマイト処理が施されています。ズームシリンダーの内側は黒く塗られており迷光を防いでいます。

 

 

 

 

・フォーカスシリンダーには顕微鏡対物レンズが装着されています。対物レンズだけの交換であれば大きな問題ではないのですが、全てを分解すると光軸調整(確認が)必要になります。大変光軸精度が求められる部分ですので、分解はお避け下さい。

・X−Yシフト機構を取り外したフォーカスパイプはこれ以上分解しないで下さい。シフト機構の回転にガタを作らない様にするため、回転フォルダーと筒との結合が引っ張りはめ殺し構造となっています。また、なめらかな摺動を実現するため微妙な調整がされています。

 

 

・集光レンズボディーには集光レンズ群が入っています。光学精度が必要な部分ですのでこれ以上分解しないでください。

 

 

・ズームパイプもフォーカスパイプと同様、なめらか摺動を実現するため、微妙な調整がされています。従ってこれ以上の分解はしないで下さい。また、Tマウントとは強固な接着剤で結合してありますので分解不可となっています。写真ではTマウントに付属の(キャノン)マウントが装着されています

次回からは、撮影テクニックの講座となります。

 

 

 

 

 

  

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